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2016年3月 1日 (火)

自然から懸け離れるることで招いたアレルギー症状

日本人の実に3割の人がスギ花粉症に苦しんでいるという。

スギの花粉は2月ごろのよく晴れた日に大量に舞う。
スギ花粉症はスギの花粉に体が反応して起こるアレルギー症状。
食物アレルギーやスギ花粉アレルギーはなぜ起こるのか?
哺乳類だけがもっている新型免疫システムの過剰反応によっておこることがわかってきている。
人間は動物の共通の旧来からある細菌に対する防衛のための免疫システムと、哺乳類だけがもってるダニや寄生虫に対する新型免疫システムの2つをもっている。
人間は母親の子宮にいるときは無菌で、お産のときに産道で初めて母親から細菌をもらう。いろんな人に抱かれることで細菌をもらい、いろんなものを舐めてしゃぶることで細菌を摂取し、さまざまな食べものを食べることで細菌を摂取する。免疫システムの白紙で生まれてきて、さまざまな細菌との接触を通じて、3歳くらいまでに個々の免疫システムが完成する。
かつての人の暮らしの中には、どこにでも土があり、田畑とも近い距離で生活していた。よって生活の中に細菌がたくさんいた。ところが現代は、あまりにも生活の中に細菌が少ない衛生的すぎる環境になってしまい。細菌に対抗する旧型免疫システムが未発達なまま、ダニや寄生虫に対する新型免疫システムが過剰に体内でつくられてしまい。このアンバランスがアレルギー症状を起こしていると考えられている。
感染症によって死亡する乳幼児が減ったのは衛生環境が整ったからで、不潔にするのがいいというわけではない。人間は自然から切り離されてはいきてはいけないということがいいたいのだ。
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エンドトキシンとは、細菌はひとつの細胞でできているが、その細胞の外壁の部品。細菌が死ぬと、その細胞はばらばらに砕けて、外壁を構成しているエンドトキシンも大量に放出される。人間を含め哺乳類の旧型免疫システムは、細菌の死骸であるエンドトキシンをいろいろ集めることで、どんな細菌に囲まれて生きているのかという情報を記憶していて、いざ、細菌に攻撃された時には、速やかに対抗できるようにしている。
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IgEは免疫グロブリンEという糖タンパク質。外部からの侵入してきた異質なタンパク質をB細胞が見つけると、このB細胞が糖タンパク質IgEを大量につくる。IgEはヒスタミンなどのくしゃみ・鼻水・かゆみなどを引き起こすアレルギー物質を貯蔵しているマスト細胞にどんどん突き刺さり、Yの字型のIgEが2つ並んだ、その先に外部から侵入してきたタンパク質が捕まると、これが起爆剤となって、マスト細胞は崩壊し、内部に貯蔵されたアレルギー物質を放出する。
B細胞は侵入者別につくるIgEが異なり、侵入者がいなくなった後も記憶細胞として残り、これが免疫となり、次に侵入してきたときには、すぐに対応できるようにしている。
IgE型の免疫はダニや寄生虫に感染したときに活躍する。ダニの場合なら、人間の皮膚に取り付いて血を吸うとき、細胞を溶かすタンパク質を送り込む。このダニが送り込んできたタンパク質に反応し、アレルギー物質を放出し、血液といっしょにこれを吸わせることで、ダニをショック死させたり、忌避させたりしている。ダニは病原性のウイルスを媒介するので、速やかに去っていってほしいものである。
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①IgEがマスト細胞に取り付く。
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②マスト細胞にIgEがたくさん取り付いている状態。これだけではマスト細胞はヒスタミンなどのアレルギーを引き起こす物質を放出はしない。
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③さらに、アレルギーの原因となるタンパク質が浸入してきて、マスト細胞に取り付いたIgE2個をつなぐと、これが起爆スイッチとなって、マスト細胞は崩壊し、腫れ、かゆみ、くしゃみ、鼻づまり、眼のかゆみなどのアレルギー症状を引き起こすヒスタミンなどの物質を放出する。
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④ハチなどに一度刺された人が、再び刺されると、けいれんや気を失う、重い場合には心肺停止になるなどのアレルギーショック状態を引き起こすことがあるのは、1回目に刺されたときに、IgEが大量に刺さった一触触発のマスト細胞が体内にできてしまったためで、2回目に刺されたときに体内に入ってきた毒素が、マスト細胞の大量崩壊を招くためである。

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