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2016年2月19日 (金)

ナベツルの越冬飛来地づくりに向けて

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JA東とくしまさんの坂野支所の応接室にて、お米づくり名人北野さん、お米づくり達人西田さん、日本野鳥の会のツルの専門家金井さんと徳島支部の三宅さんとで意見交換会。

コープ自然派さんで販売しているお米「ツルをよぶお米」は、コウノトリを育むお米の兵庫県豊岡市やトキと暮らす郷づくり米の佐渡に学んだ農法がベースとなっているので、コウノトリやトキには対応しているが、ナベツルには対応できていない部分がある。

現在、各地域のリーダーさんにお願いして「冬水たんぼ」を展開しているが、ナベツルは那賀川の河川敷をねぐらにしているため、冬水たんぼはあまり利用していない。冬水たんぼはおもにサギ・カモ・セキレイ・シギ・カラスなどが利用している。

ナベツルたちは阿南市那賀川町いったいで昼間、エサを探している。この地域の生態系が豊かだということもできるが、ナベツルたちは、電線のない開けたところがよく。車があまり走らないところがよいので、選ばれているのかもしれない。

JAの西田さんは自ら有機稲作を実践し、農薬を使用しなくても健全な稲が育ち、有機肥料で作った方が収量が多いことを証明している。地域全体でお米に使用する農薬の量が少なくなっていて、このことが生態系の本来持っている生産力を高めているのかもしれない。

●ナベツルが「ひこばえ」を食べているに関して

ナベツルはやや乾いた田んぼで「ひこばえ」や落ち穂を食べているのだが、お米を本気で一生懸命に有機栽培すると、春に基肥でやった窒素を全部吸いきってしまうので、土壌に窒素の残量が少なく、収穫後の株から「ひこばえ」がいっぱい生えるということは少ない。また、ひこばえが生えたとしても、それが食べれるほど稔とも考えにくい。

無農薬を実現させるための技術のひとつが「秋ワラ処理」がある。これは収穫後できるだけ早く、稲ワラに発酵鶏糞などを散布し耕起して、窒素バチルス菌などの分解促進菌とカルシウムを施してやり、地温が高いうちにワラと稲株を発酵分解して地力にしてしまうという技で、これによって、稲株で越冬する稲水象虫の食害を防止し、ワラを春まで残してしまうことで、水温の上昇と共に土中でワラが腐敗しておきる硫化水素ガスによる根痛みを防止できる。また、台風によって切りワラが河川や海に大量に流出して漁業に迷惑をかけることもない。

「ひこばえ」が生える状況をつくるとなると、秋ワラ処理ができないということになる。冬水たんぼは、秋ワラ処理を9月中に行い、ナベツルがやってくる10月から水を湛えることができるので共存できる。

普通に作れば、「ひこばえ」は生えないので、秋ワラ処理をしないで、稲株を放置していても実が稔るほどにはならない。どうしても「ひこばえ」を生やしたいのなら、収穫後の稲株に発酵鶏糞などを適量散布して積極的に実らせた方が確実である。

田んぼ全面に「ひこばえ」を生やせる必要はないので、畔際の1mだけとか、真ん中に島のように秋ワラ処理をしないで残すということもできる。計画的にこのような半自然のエサ場を作っていくこともできる。

徳島支部の三宅さんいわく、ナベツルが群れで用水路に降りているのを見たことが何度かあるという。これはおそらくカワニナか姫タニシかジャンボタニシを食べているのではないかと考えらえる。シベリアに帰る前には、体力をつけるため、貝や虫も食べることが知られている。ナベツルは一日100gくらいのエサを食べるという。いったい何をどれだけ食べているのか?これについては、まだよくわかっていないことも多い。ナベツルのフンを採取して、DNA鑑定を行うことが確実なのだが、そういう研究も必要だろう。

農家さんが最高においしいお米をつくるということとナベツルが生息できるということが共存できるところを模索しなくてはならないだろう。





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