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2016年2月19日 (金)

コウノトリ・ナベツルとの共生をめざして

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ここは鳴門市大麻町萩原字鴨野。豊岡市で放鳥されたコウノトリが住み着いて、子育てをするべく巣作りをしている。立派な看板が立てられていた。

萩原というところは、古くから人の営みのあるところで、奈良県桜井市箸中にある前方後円墳の原型ではないかといわれているホケノ山古墳の、さらにそのモデルとなった古墳ではないかという萩原古墳があるところである。邪馬台国の時代、ここは吉野川の河口で、航海術に優れた海洋民がいて、古代の王朝を船を操り、その輸送力と機動力で支えていたのではないかといわれている。

この場所はかつて暴れ川四国三郎吉野川が右に左に奔放に流路をかえてつくった平野。

川に近いところには礫が溜まり自然堤防をつくり、梨畑になっている。砂交じりの粘土のところには春先に出荷するトンネル人参。砂地のところには夏はサツマイモ(鳴門金時)、冬は大根。粘土地のところにはお米、粘土地で深いところはレンコンになっている。

吉野川の平野は暴れ川がつくった地形なので、梨、人参、サツマイモ、レンコン、お米という栽培に必要な水の量、地面の乾き具合、エコトーンの異なる作物がパッチワークのように点在している。

コウノトリが子育てできるだけのエサがある生態系は、吉野川がつくった凸凹のエコトーンが生み出している。ぜひ、NHKの番組ブラタモリで来てもらいたいくらいの高低差パラダイスなのだ。

吉野川が大きく氾濫したとき、一番細かい泥は川から一番遠いところまで運ばれ、山の裾に溜まる。ゆえに吉野川からだいぶん離れたところに、きめの細かい粘土地がある。

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ツルもコウノトリもサギもシギもチドリもカモもウもカモメも水辺を好む水鳥だが、越冬のために西日本の各地にやってくるナベツルは、やや乾燥した水辺を好む。それは草の実や穀類を好んで食べるからであり、コウノトリは肉食で、魚、カエル、ザリガニ、蛇、貝などを食べるので、湿地のような浅い水域を好む。

吉野川の平野は凸凹で単一作物ではなく、エコトーンに合わせたさまざまな作物が栽培されている。このことが乾いたところから湿ったところまでのざまざまな水辺をつくり、よって鳥の種類が多いのである。

今年、ナベツルがたくさんやってきた。飛来数でいうと400羽。明治以降の記録史上、最多の数である。なぜ?そんなに来たのか?諸説あるが、中国揚子江での越冬する環境が悪くなり、日本の鹿児島県出水への飛来数が増え、出水がキャパオーバーとなったため、徳島にやってきたと考えられる。

環境省と日本野鳥の会は、ナベツルの越冬地の分散化をいろいろ模索していて、このたび、徳島にナベツルがたくさんやってきたので、日本野鳥の会のツルの専門家である金井さんが視察に来られた。

コウノトリは日本国内の問題。ナベツルは実は国際問題なのである。吉野川と勝浦川の河口域は「東アジア・オーストラリア・シギ・チドリ・フライウェイ」の登録湿地になっている。人間の都合で定めらえた国境は、オーストラリアからアラスカまでを旅する渡り鳥には関係のないものである。国境を越えてやってくる渡り鳥のために、その羽を休め、エサをとることができる湿地を守ることは、とても重要である。

吉野川河口・勝浦川河口とその後背水田とハス田は、世界的に重要な場所なのである。

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