2016年2月29日 (月)

エビス様の誕生秘話(吉野裕子さんの研究)

『神々の誕生/易・五行と日本の神々』吉野裕子著・1990年・岩波書店
「エビスの誕生」より
(1)足が不自由な神様
美保神社の氏子は鶏と卵を食べない。それは、揖屋の女神のところに通っていた。鶏が時を間違えて真夜中に鳴いてしまった。コトシロヌシは慌てて帰ろうとしたので、櫂を忘れて船に乗ってしまい、仕方がないので足で漕いでいたら、フカに足を噛まれてしまった。以来、鶏も卵も食べることがタブーとなった。
蒼柴垣神事において神船が宮灘につけば、老巫女は片足を垂らし、片足を折り曲げて、負われて宮に上がる。祭りにおいて、祭神のありようを擬(もど)くのは、巫女の重要な神態(かみわざ)である。
エビスはイザナギとイザナミの最初の子どもであるヒルコであるという。ヒルコは3年たっても足が立たなかったので、葦の船に乗せて海に流したという。
(2)「夷三郎」とよばれている。
陰陽五行の五行の生成順は水→火→木→金→土である。三郎は木気である。
夷は東方の人。木気の方位は東である。木気は水気を母とする。
五行は生物を五虫に分類するが、木=鱗=曲直、火=羽=炎上、土=裸=稼穡、金=毛=従革、水=介=潤下
鱗というのではウロコある。ウロコのある生物=魚、蛇などの爬虫類など。
その動きは「曲直(きよくちよく)」で、これは伸びたり縮んだりする動きで、まさにヒルのような環形生物の動きである。
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子―丑=土気
亥―寅=木気
戌―卯=火気
酉―辰=金気
申―巳=水気
午―未=土気
亥―寅は木気を生じる。寅=正月、亥=10月。よってエビスさんの縁日は1月と10月にある。
(3)エビス様の三角烏帽子
これは蛇の頭の形をかたどっている。同じく三角のものにホウズキがあるが、これも蛇の頭の形から名付けられている。蛇の古い呼び名はカカまたはハハであり、ハハがホウになまり、恰好をツキという。ハウのツキでホウズキ。
木気の母は水気であり、季節は春、色は青、方位は東で、東の守り神=青龍である。エビス様が青い海から鯛を抱えてやってくる姿で描かれていることと関係があるだろう。
ここは自論、鯛の旬は産卵前の桜の咲くころといわれる。本当においしいのは脂が一番のる厳寒の2月であるが、鯛の季節は春である。七福神だから「メデタイ」の頃合わせで鯛ということ以上に深い意味があるかもしれない。
釣竿の竹は『事物異名類編』では蛇祖といわれ、タケノコは稚竜、竜孫とよばれている。エビス様の縁起物の笹や熊手も、蛇と関係があるかもしれない。蛇が祖霊であり、かつ水と関わりが深いから漁師さんの信仰が深いのではないだろうか?
(4)エビス様は聾であるという。
聴力がないことを「聾」というが、龍には耳がない。蛇には耳がない。というのは見た目からで、耳はある。また、地面の振動をよく感じ取ることができる。エビス様は蛇だから聴力がないという伝承ができたのではないだろうか?
(5)蛇の霊力
①脱皮をすることから「生命の更新」ができる。若返り、生まれ変わり、不老不死の力があると信じられた。
②蛇は男性のペニスに相似のため、種の神としての信仰。
③蛇はネズミの天敵ゆえに穀物の守護神、農業の神。
原始蛇信仰は、6~7世紀以降に陰陽五行に習合されていったと考えらえる。

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