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2016年1月18日 (月)

地球の生きものを支えている光合成!

●生きるとは食べること。

異化と同化。2つをあわせて代謝。これが生きているということの基本。

①異化とは、食べもの=炭水化物(糖)を水と炭酸ガスに分解する過程で生きていくために必要なエネルギーを得ること。

②同化とは、異化によって得たエネルギーをつかって、外から食べることで得たアミノ酸等を材料にタンパク質である自分の体をつくっていくこと。

ウイルスは自分の複製をつくることができ、子孫を残すことができるが、代謝は行わないので生命体とみなさないことがある。

③自己複製。生命は自分と同じ体のものを複製することで、未来に種を残す。生命の基本単位である細胞は自己複製できる。細胞が分裂するとき、まず核に治めらえている遺伝子を等しく等分する。そしてその遺伝情報をもとに複製をつくる。

地球の生命はみなDNAをもっているので、DNAをつくるために絶対に必要なミネラルであるリン酸の量が生命の量を決めている。リン酸が少ないところには生きものの数は少なく、リン酸が多いところには生きものも多い。

●生きるエネルギーの源は光合成

生きものは食べる。食べると増える。増えると食べる口が2倍、2倍が4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、128倍、256倍と増えていく。

地球の生命が最初に受けた試練。それは食べることができる有機物の不足、つまり食糧難であった。地球にもともとあった有機物を食べつくし、地球に生まれた生命は一応に飢餓状態になった。

この食糧難を解決したのが光合成。太陽エネルギーを使って、水と炭酸ガスから炭水化物(糖)を生産できるようになった。光合成は地球の生命維持システムの根幹となっている。

46億年前に地球が誕生、36億年前に海の中で生命が誕生。27億年前に光合成をするシアノバクテリアが誕生したと考えられている。

地球と兄弟の星。金星と火星と地球を比べて見ると、地球だけが窒素と酸素という大気をもち、金星と火星の大気はほとんどが二酸化炭素でできてる。

原始地球には火星や金星のように酸素はほとんどなかった。地球に最初に生まれた生命は、非生物的につくられた有機物を化学反応で分解してATPを合成していたと考えられる。

やがて、簡単な無機化学反応でエネルギーを取り出し二酸化炭素固定を行う化学合成独立栄養生物が出現し、生物の爆発的な増殖が始まる。この生物は嫌気性のメタン細菌として現存している。

その後、嫌気的に光合成を行う独立栄養生物(光合成細菌)が表れる。恒久的に得られる太陽の光を活用することができるようになったが、硫化水素などを電子供与体として必要としていて、やはりその増殖には限りがあった。

そして、酸素発生型光合成を行うシアノバクテリが現れる。28億年前の化石が西オーストラリアで発見されている。28億年前から17億年前にかけて、シアノバクテリアは爆発的に増殖し、大量の酸素を発生させて、地球を酸化させていった。その証拠は、この時代の地層では、世界中で縞状鉄鉱床が堆積していることでわかる。水溶性の還元型の鉄第一イオンが酸素と化合して水に溶けない酸化鉄をつくる。鉄を酸化し尽くした後、酸素は海水と大気に溶けて行った。

酸素はなんでも酸化させてしまう反応性の高い猛毒である。酸素が多い環境ができると、この酸素に対する耐性をもち、酸素呼吸ができる好気性細菌が現れる。酸化的環境は効率のいいATP合成ができる。本来は嫌気性菌であった真核生物は体内に好気性細菌を共生させてミトコンドリアを創出させたと考えられている。最古のものは21億年前の化石が見つかっている。現在でも、ミトコンドリアには細胞の核とは別の独自のDNAが存在している。現在でも共存関係にあるといってもいいだろう。

大気に溶けた酸素は太陽からの紫外線によってオゾンをつくった。これがDNAを破壊してしまう有害な紫外線を遮断し、生物の陸上進出の条件をつくった。

酸素濃度の上昇にとって、窒素固定が阻害される。しかし、窒素は核酸やタンパク質を構成するために重要な要素である。21億年前、糸状性シアノバクテリアがヘテロシスという特殊な細胞を分化し窒素固定ができるようになった。

●全球凍結によって、現在に続く好気性多細胞生物の時代になる。

6億年前、地球は一度、完全に凍結してしまう。全球凍結といわれている。

全球凍結前、地球には、光合成をする生物と光合成生物に依存していきている動物とメタンをつくる生物の3種類がいた。メタンは二酸化炭素の20倍の温室効果がある。メタンをつくる生物によってつくられたメタンによって、地球は温かく保たれていた。ところがメタンは酸素と反応しやすいので、地球を暖めていたメタンは酸素によって、どんどんなくなっていった。これが超寒冷化の引き金となり、全球凍結を引き起こした。

全球凍結のとき、気温はマイナス50℃、海は厚さ1000mの氷に覆われていた。赤道付近でもマイナス30℃だったと考えられている。そして全球凍結は数万年も続いた。

生命は全球凍結の間も生き延びることができたのは、火山活動のおかげである。地熱地帯は生命の緊急避難場所となる。全球凍結の終わりは、火山から放出された二酸化炭素によってもたらされた温室効果によって終わる。火山の二酸化炭素は通常は海に溶けてしまいたまらないのだが、海が凍っていて、海に二酸化炭素が解けなかったので、二酸化炭素はたまりにたまって、現在の300倍になったとき、海は一気に溶けだしたと考えられる。

気温はマイナス50℃から50℃まで100℃も上昇した。気温の急激な上昇と、海から発生する水蒸気はハイパーハリケーンを発生させる。中心気圧300ヘクトパスカル・風速300m・100mの高潮が押し寄せる。高さ100mの高潮はフロリダ半島を簡単に乗り越えてしまうほどの大きさである。この高潮は強力で、100mの底まで、海底をかき混ぜたと考えられる。

全球凍結後、地球の酸素は現在と同じになる。全球凍結前は光合成をし酸素をつくる生きものもいるが、酸素を消費する生きものもいるので、酸素は生産されてもすぐに消費されて、増えなかった。現在の20分の1程度であった。

全球凍結の間も、海底では火山活動によって有機物やミネラルを大量に含んだ熱水が噴出していた。しかし生物は絶滅寸前までいっていたので、消費されることなくたまりにたまっていた。これがハイパーハリケーンによって、海底に溜まった有機物やミネラルが浅瀬に持って来られ、この栄養をつかって光合成が加速した。

酸素を消費する生物も限りなくすくなかったので、酸素は急激に増えた。全球凍結によって現在の大気の酸素濃度20%が生まれた。この酸素濃度20%は実に絶妙で、もし1%増えたら、落雷による火災は消えないし、もし1%すくなかったら、陸上の生物のほとんどは生きていけない。

●酸素濃度が20%になって生物は多細胞化し巨大化していく。

35億年間、微生物だった生物は、全球凍結の後、体長30㎝と10万倍の大きさに巨大化する。巨大化の要因は豊富な酸素を使うことでつくることが可能となったコラーゲン。コラーゲンを大量につくることができるようになって、生きものは多細胞化し巨大化することになる。

人間の場合、骨の90%、皮膚の70%がコラーゲンでできている。コラーゲンは細胞と細胞をくっつける網のようなもの。コラーゲンを大量につくることができるようになって、生物ははじめて多細胞化でき、巨大化ができるようになった。時代はカンブリア紀とよばれる。生命進化の大爆発が起きる。

今から1億3500万年前から6500万年前の白亜紀にはC4型光合成植物が登場する。トウモロコシ・サトウキビ・アワ・キビ・ヒエ・モロコシ(ソルガム)等のイネ科の一部の植物とヒユ科のハゲイトウは、炭素を還元して糖をつくるカルビン‐ベンソン回路に、オキサロ酢酸を使った炭素を濃縮する別の補助回路をもっている。高温や乾燥などの気孔が閉じがちになる条件下では、植物は二酸化炭素を集めにくくなるが、C4型光合成植物はそうした条件を回避して気孔を開け、二酸化炭素を固定しておくことが可能である。白亜紀には大気中の二酸化炭素濃度が少なくなり、低二酸化炭素の状態になったことが光合成のさらなる進化を促したと考えられる。C4型光合成は、低二酸化炭素以外にも、高温や乾燥、貧窒素土壌など、植物には苛酷な気候下に対応できる。遺伝子の研究がすすみ、C4型光合成の仕組みは、すべての植物が備えているのだが、遺伝子の発現がオフになっているということがわかってきた。単子葉植物も双子葉植物も両方がもっているので、両者が分かれる前に、仕組みとしては獲得していたと考えられる。

●参考
ウキペディア
NHK特集地球大進化
東京大学光合成教育研究会編 『光合成の科学』 東京大学出版会 2007年 P.19~21「地球と生命の歴史を作った光合成」池内昌彦著より

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