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2016年1月 2日 (土)

天かける鹿と海をわたる鹿

籠山のふもとにはかつて「天乃香具山」の碑が立っていたという伝説がある。

カゴ・カコまたはカクは鹿の古語である。鹿は泳ぎがうまいので、水夫のことをカコとよぶのは鹿のことである。

京都の天橋立のところにある籠神社(このじんじゃ)には国宝になっている日本最古の系図である海部氏系図が残っている。
その系図によると【初代親】饒速日命→【子】天香語山命→【孫】天村雲命→【3世孫】倭宿禰命→【4世孫】天登目命→【5世孫】建登米命→【6世孫】宇那比姫命
2代目にアマノカグヤマがいる。

香具山は今の新嘗祭の元となった天の岩屋戸神事のときに、その道具類を調達する山である。まず香具山の立派な雄鹿の背骨を抜き取り、香具山の天のハハカの木(ウワミズザクラ)をつかって占いをする。そして香具山の立派な枝のサカキを根ごと掘り取り、スマルの珠と八咫の鏡と白和幣、青和幣をつけてしだれさせる。

弥生時代は鳥の姿をしたシャーマンが銅鐸を振り鳴らし、田んぼに稲魂をまく神事を行っていた。しかし、ある時期を境に銅鐸の神事は行われなくなる。つまり、古代のある時期に大きな宗教改革があったようだ。そしてその宗教改革によって生まれた王朝が、奈良盆地の大和政権なのだろう。銅鐸の時代が終わり、前方後円墳の神事の時代を迎える。稲作の神事は銅鐸を使う鳥のシャーマンから、天の岩屋戸開きの神事をモチーフとした新嘗祭となる。

北沢方邦氏の『古事記の宇宙論』によると

天乃香具山は、天にある時は夫婦の山であったが、地上に降るときに夫婦は分かれて別々に降った。阿波國風土記逸文には「天から降ってきた大きなものが阿波に降り、その時、砕けたものが、大和に降って天乃香具山となった」という。

天の岩屋戸神事では、天のウズメの命は、香具山のマサキをかつらとして、また香具山の小竹を手に結わえて、ウケフネという穀物を入れるクスの船を逆さまにして、その上にのって、踏み轟かせる。

天で別れて別々に地上に降った夫婦の山は、天のウズメの命の舞いによってふたたび夫婦となる。このことは天乃香具山に対になる山が耳成山であることと関係する。つまり受胎できない「身身無し」から受胎できる「身身成し」になるという。

天乃香具山は天にあるときは、天の川の水源となる二上山(カシオペア座)である。そして天のウズメの命が踏み轟かしたクスの木でできた穀物を入れる器であるウケフネが、星座では北斗七星となる。北斗七星とカシオペアは北極星を中心として対になっている。

籠山はふたつの頂上のある二上山(ツインピークス)である。
近くで見ると二つの頂上が寄り添う夫婦の山とみえる。

徳島を開墾したのは、天の岩屋戸神事のとき、香具山のサカキを掲げ持った太玉命の子ども天日鷲命であるという。天日鷲命は、天岩屋戸開きのとき、琴を奏でていた。天照大御神が岩屋戸から出てきて、世界が明るくなったとき、琴に鷲が舞い降りて止まった。これは縁起がいいと、以来、天日鷲命と名乗るようになったという。天日鷲命は麻を植えて阿波国を開墾し、忌部氏の始祖となった。

徳島は天皇陛下が変わったときに行われる、代が代わってはじめての、特別な新嘗祭である大嘗祭の時に、天皇陛下に献上される麻の衣、アラタエを奉納する国となっている。麻は麻薬の原料となる関係から、通常栽培は制限されているが、天皇陛下に献上するために、特別に麻が栽培され、機織り場が設置されて、アラタエと呼ばれる特別な衣が織り上げられる。このアラタエという衣を着て一晩寝ることで、先代からの霊力が送り込まれるといわれる。アラタエは神聖な皮であり、脱皮することで生まれ変わるということだろう。

勝浦川が運んできた砂が、海の波で押し戻されて、海と川がせめぎ合うところに、象の鼻とよばれる砂丘ができる。勝浦川の河口の象の鼻へ論田町の打樋川の河口から行こうと試みたが、徳島マリーナ―の先は夏草が生い茂っていて道がなくなっていた。大神子海岸からは遊歩道が整備しれていて、籠山の尾根を越えて勝浦川の河口の浜辺へと降りることができる。

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