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2016年1月12日 (火)

土ができるまで

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①固い岩石もその内部に含まれている水分の膨張収縮によって長い年月を経ると砕ける。しかし、岩石が砕けただでは土はできない。岩石が砕けただけでは砂となり、砂漠になってしまう。

②火山が噴火して、溶岩が流れて新しい台地ができる。

③岩石が長い年月の中で、風雨によって砕けて砂ができる。そしてそこには苔が生えることができるようになる。苔が生えることができるようになると、苔の死骸と砂が混じって、ほんの少しの土ができる。

④ほんの少しの土ができると、そこに太陽の光が大好きなイネ科の植物ススキなどが生えることができるようになる。植物は生きていくために太陽の光と水と炭酸ガスを合成して炭水化物をつくる。炭水化物は生きるためのエネルギーとして使われ、新しい細胞をつくるための材料となり、繊維の固い外壁の材料ともなる。そしてススキは自身がつくった炭水化物の内、約1割を根から根酸として土中に放出し、根の周りのミネラルを溶かし、生きていきために必要なミネラルを吸収しやすくしている。また、根酸は根の周りの土中微生物に活力を与えて土を育ててもいる。

⑤ススキは春に芽吹き、夏の太陽と水を集めて大きくなり、秋が深まると種をつけて、自らは倒れる。1年に1回、これが2000回続くと、つまり2000年の月日が流れると、そこにわずか10㎝の土ができる。

⑥ススキによって10㎝の厚みの土ができたら、そこに木が生えることができるようになる。そこに生えた木が、落葉広葉樹なら、おちばが積もって土づくりのスピードは加速し。100年で10㎝の土ができる。

⑦落ち葉は、落ち葉を食べる昆虫やダンゴ虫・トビムシ・カビなどの糸状菌などによって、細かく分解され、それを土中の微生物がさらに細かく分解し固体だった落ち葉は液体となって、土中の深くへ微生物といっしょに落ちていく。

⑧岩石が砕けただけでは、土にはならない。岩石が砕けた砂に、植物や動物の死骸がまざることで砂は土になていく。土は生きものでできている。

落ち葉の豊かな森のひと踏みの中には、驚くほどたくさんの生きものたちが棲んでいる。線虫(センチュウ)7500匹・ダニ3300匹・姫蚯蚓(ヒメミミズ)1803匹・跳虫(トビムシ)500匹・蝿(ハエ)や虻(アブ)の幼虫100匹・渦虫(ウズムシ)50匹・熊虫(クマムシ)10匹・草鞋虫(ワラジムシ)10匹・ムカデ2匹・ヤスデ1匹

⑨土は生きものでできている。豊かな森の土を1辺1㎝のサイコロで採取すると、そこには微生物が約1億匹もの微生物が棲んでいる。納豆菌や放線菌といった土中の微生物たちは極小なので、顕微鏡で大きく拡大しないと確認できない。

⑩土は生きものでできている。生きている土は、豊かな実りをもたらす。

⑪生きている土は呼吸をしている。昼間は太陽光で温まり、微生物の活動が活発になり、植物の死骸である落ち葉が細かく砕かれ溶けて液体なった炭水化物を、さらに微生物が生きていくために必要なエネルギーを取り出すために炭酸ガスと水に分解する。液体が気体になると体積は大きくなり、土壌を割って炭酸ガスは吹き出し、夜になって冷やされると、昼間に炭酸ガスが抜けた裂け目から、新鮮な空気が入り、土中から冷やされて土壌は収縮する。裂け目や土壌の間隙には、酸素が多い方を好む放線菌が増える。

⑫生きている土は、昼間には膨張し、夜間には収縮する。この膨張収縮を繰り返すことで、自然と団粒構造になっていく。

⑬人間は60兆の細胞でできているが、人間の腸の中には、人間の細胞の数を超える100兆の微生物が棲んでいる。この微生物たちは、食べものの消化吸収を助けるだけでなく、ビタミンなどの生理活性物質をいろいろつくって、人間の健康を支えてくれている。

⑭植物の根と人間の腸は、共に栄養と水分を吸収する役割をしている。植物の根も、人間の腸も、その機能を十分に発揮するためには、たくさんの微生物の協力がないと、きちんと機能しないことがわかってきた。植物の根も、人間の腸も、微生物のエネルギー源となり、棲家にもなる繊維質をしっかり供給してやることで、その機能が向上することもわかってきた。

⑮土は生きものがつくっている。生きものは土に生かさせている。

地球の生命維持システムの要は、植物の光合成である。炭酸ガスと水と太陽エネルギーを合体させて炭水化物をつくる。地球の生命の多くが、植物が光合成によってつくりだした炭水化物を活用して生きている。そして、植物以外の多様な生命は、それぞれに生きることによって、炭水化物を分解し、少しづづ土をつくることにつながっている。

⑯地球と兄弟の星、火星と金星。この兄弟の星には土がない。地球にだけ生命があり、土がある

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