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2015年12月16日 (水)

妖怪オイルマネーと大量消費社会とバブル経済

■なぜ、バブルが起きるのか?

原油は製造原価が3ドルなのに販売価格は150ドル近くになる。ここに世界のバブルの源がある。実質的な価値以上の価格で売れ続ける。そこにバブル経済が生まれる。

中東産油国が原油を売って得た莫大な利益は、アメリカ、欧州、ロシア、日本に投資される。そして、このオイルマネーバブルが、大量生産・大量消費・大量破棄という現在文明の駆動力、エンジンとなっている。

■アメリカ依存型の成長戦略の破綻

アメリカは世界最大の消費国で、中国、韓国、日本、インド、東南アジア、ヨーロッパなどから、どんどんモノを買っている。このことによりアメリカから世界へ向けて商品代金としてお金が流れる。このお金をまた、アメリカに戻し循環させる方法として、アメリカは金融に力を入れてきた。工業→サービス→金融という流れは、ごく自然な流れと考えられた。
1990年代半ばに、アメリカは金融を国家戦略の柱に据え、世界から投資を呼び込む施策を打ち出していく、1999年には「グラム・リーチ・ブライリー法」の制定で、保険会社や銀行も証券ビジネスに参加できるようになり、証券ビジネスは盛んとなる。
 
金融資産は17年で実質経済の4倍にもなってしまった。
1990年の名目GDP:3100兆円、金融資産:5500兆円
2007年の名目GDP:6400兆円、金融資産:2京2000兆円

国境を越えて個人が金を動かすので、政府の統制がまったく効かない状態となり、中国やインド、ヨーロッパ諸国に貯金や貯蓄として眠っていたお金が、投機目的でアメリカに流れ込むことになった。これにより実質経済の4~5倍という金額になった。
たくさんのお金が入ってきても、それを投資して運営する場が足りなくなってしまった。金融テクノロジーを駆使して、資産価格の上昇で、利益を上げていくことが一般化した。

■915リーマン・ショックとは

2008年9月15日、アメリカの投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻した事が引き金となり、世界的な金融危機(世界同時不況)が始まったことの表現。リーマン・クライシス(Lehman Crisis)ともいう。1日で3千兆円のマネーが消えたといわれている。
2007年のアメリカ住宅バブルの崩壊を受けて、低所得者向けの住宅債権を薄く混ぜた証券化商品を多数発行していたリーマン・ブラザーズは多額の負債を抱え、2008年9月8日に連邦破産法第11章の適用を連邦裁判所に申請し破産するに至る。この申請により、リーマン・ブラザーズが発行している社債や投信を保有している企業への影響、取引先への波及と連鎖などの恐れから、アメリカ経済に対する不安が広がり、すぐにヨーロッパへ飛び火し、世界的な金融危機へと連鎖した。世界同時株価下落を招く。

915リーマン・ショック株価の下落率

                                                           
 

国名

 
 

データ元

 
 

1年前

 
 

1年後

 
 

下落率(%)

 
 

アメリカ

 
 

ダウ平均

 
 

14079

 
 

8451

 
 

40

 
 

日本

 
 

日経平均

 
 

17178

 
 

8276

 
 

52

 
 

イギリス

 
 

FTSE

 
 

6633

 
 

3932

 
 

41

 
 

ロシア

 
 

RTS

 
 

2144

 
 

845

 
 

61

 
 

インドネシア

 
 

JKSE

 
 

2591

 
 

1452

 
 

44

 

■リーマン・ショックの原因の検証

①住宅バブルとサブプライムローン問題

2001年1月より、ブッシュ政権が「すべての人にもち家を」をスローガンに低所得者にも住宅をもたせるという政策を掲げる。白人は4人中3人が家をもっているのに、黒人やヒスパニック系の人はその半分しか家をもっていない。メキシコなどからの年間移住者は20万人。低所得者でも住宅が持てるようにする。というものだった。これが住宅ブームをお越し、将来、住宅の資産価値が上昇することを見越して、低所得者でも住宅ローンを組めるようにしていった。それがサブプライムローンと呼ばれ、プライム(優良客)ではない人向けローンという意味である。

●サムプライムローンとは
主にアメリカ合衆国において貸し付けられるローンのうち、サブプライム層(優良客(プライム層)よりも下位の層向けとして位置付けられるローン商品をいう。通常の住宅ローンの審査には通らないような信用度の低い人向けのローンである。狭義には、住宅を担保とする住宅ローンを対象とするが、広義には、自動車担保など住宅以外を担保とするものを含む。一般的に他のローンと比べて債務履行の信頼度が低く、利率が高く設定される。

住宅をつくる資金源のほとんどが、中国、インド、ヨーロッパから入ってくる投資(それらの国に眠っていた貯蓄や貯金)で賄われている状態となった。FRBはそれまで低く抑えていた住宅金利を引き上げて、住宅価格の上昇を抑えようとするが、ぜんぜんコントロールできなかった。

●サブプライムローンの実態
夫婦合わせて月額収入が30万円の人が、3000万円の家を頭金なしで、建てることができる。はじめの2年は金利が低く抑えられていて7.7%、それでも毎月21万円を支払わなければならない。2年を過ぎると半年ごとに金利が3段階で上がり、最終は14.7%になる。とても払うことはできない。しかし、住宅の資産価値が上がることで、別のローン会社のローンに借り換えることができる、これをずっと繰り返すことで、ローンの金利は上がらないという仕組み。住宅の資産価値が上がり続け、2年ごとにずっとローンが借り換えられるというかなり難しいことを前提とした「砂上の楼閣」であった。

2001年から2006年までは住宅の資産価値は上がり続けたが、2007年に下落し、多くの人が、ローンを借り換えることができず、金利が払えず、担保となっていた家を手放すことになった。

②サブプライムローンを組み込んだ証券化商品

Photo_4

金融テクノロジーの例

にごった水は飲めないが、左図のように、浄化して誰もが飲める水にしてしまう。

きれいな水といって提供したら、にごっていて飲めなかったことから、信用がなくなった。

サブプライムローンはローンの支払い能力などの審査が甘いものもあり、支払いが滞り、焦げ付く心配が高い。証券にしても、とてもハイリスクな証券となる。しかし金融テクノロジーは、他の安全性の高い証券と組み合わせることで、リスクを減らし、安全度の高い証券に加工することを考えた。さらに、サブプライムローンを組み込んだ証券をいくつも組み合わせて、証券をつくると、さらにリスクは少なくなっていく。
しかし、これを繰り返すと、いったいどの証券に、どれだけのサブプライムローンが含まれているのかが、まったくわからなくなってしまう。

証券化商品の目論見書は560ページにもなる。混ぜれば混ぜるほど、リスクは減り、リスクがきわめて少ないAAAの商品になる。

③危機を加速させたリバレッジ

手持ち資金を元手に、30倍のお金を借りることができる仕組み。海外から流れ込む投資によってすでに4倍~5倍になっていたものを、リバレッジによって30倍にするので、100倍のお金が動いていたことになる。いったん損失を出すと、その額もとても巨大となる。

金融の中枢にいる人は、このままではいけないと感じながらも、今、自分が取引をやめると、自分でない他の誰かが儲けるだけだと、取引をやめなかった。シティーグループのCEOジャックピンスは「音楽が流れているのにダンスをやめることはできない」といった。

危機が起きると実感していても、やめられない。アメリカンドリームというべき楽観的な考え、ディズニー的全体主義、現実を見ようとせず、何が起きているのかを知ることを望まない。やめておいた方がいい取引でも、利益を出し続けることを選び、リスクを考慮せずに突っ込んでいく。それは危ない山道を夜に車で走るとき、ライトを切ってしまうようなこと。ライトを消して、見ようとしないことと同じ。

■Jobless Recovery(雇用なき回復)

金融が機能不全になってしまった。銀行をつぶさないために、実質的なゼロ金利を行い。銀行に大量のマネーを投入。金融は1年たらずで息を吹き返してきた。ニューヨーク州発表によると公的資金投入の金融機関9社のボーナス100万ドル以上の人は4793人になった。

銀行から企業へのお金の流れが止まっている。これには不良債権の問題が大きい。融資先の経営難が大きく。貸し倒れに備えて、銀行は資金を蓄えておく必要がある。その額は1年で50倍になった。

不良債権の増加→銀行の買い渋り→企業の投資が減少→雇用の減少

借金でものを買うことの多いアメリカではローン金利を下げることは有効な対策と言われている。しかし、失業率9.7%というなかで、倹約が進み、さすがのアメリカ人もローンで物を買わなくなった。日本のアメリカへの輸出は5割減少。今まではコスト削減で乗り切れたが、今回の不況は乗り切れない。

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