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2015年12月13日 (日)

森を失った文明の末路・シュメール文明

安田喜憲著『森の文明の物語』より

人間の文明の歴史は、豊かな森を背景に、その森林資源を使用することで、文明は花開き、反映する。そして森林資源を使い切り、森林資源の枯渇と共に滅んでいく。そしてこのことを繰り返している。
レバノンスギは杉ではなく松の仲間。生育が遅く、ゆえに詰まっていて硬い。香柏とよばれ、とてもよい香りがする。
『旧約聖書』によると、ソロモン王は、ティルスの王ヒラムに小麦とオリーブを与える代わりに、レバノンスギを手に入れた。レバノンスギの伐採に、1ヶ月交替で1万人を送った。ソロモン王は、神殿の壁・床・天井にレバノンスギを張り巡らし、その芳しい香りの元で、巫女に神の信託を受けた。王の自らの家もレバノンスギで建て、木の家と呼ばれた。
ギルガメッシュ王はエンキムドゥと共に森の守り神であるフンババをやっつけて、森を切り開き、大量の材木を得て、都市を築き上げた。フンババを殺した罪で、エンキムドゥは神の罰を受けて死に、ギルガメッシュ王はエンキムドゥをよみがえらせるため、不死の薬を求めてあの世へ旅立つが、不死の薬は得られず、ギルガメッシュ王でさえ自らの死からは逃れられなかった。
梅原猛『ギルガメッシュ』新潮社、1988年のギルガメッシュ王の最後の言葉。
「私は人間の幸福のみを考えていたのだ。そして人間の幸福のために、いかなるものも犠牲にしてかまわないと思っていたのだ。私はフンババの神と共に、無数の生きものの生命を奪ってしまったのだ。やがて森はなくなり、地上には人間と人間によって飼育された動・植物だけしか残らなくなった。それは荒涼たる世界だ。人間の滅びに通じる道だ。」と最後の言葉を残してギルガメッシュ王は息絶える。
Bes2 Bes5
アッカド語:Humbaba(フンババ)、シュメール語:Huwawa (フワワ)。森の精霊でフンババの顔を彫り込んだ像は魔除けとして使われた。ホルヘ・ルイス・ボルヘスの『幻獣辞典』では、足にハゲワシの爪、頭に牛の角があり、尾と男根の先端が蛇になっている姿で紹介されている。叫び声で洪水を呼び、口から火と毒の息を吐き、巨大な体は倒れると森の木々が21kmにもわたってざわつくとされる。神々の所有するレバノン杉の森の番人であったが、シャマシュの操る風による助力を得た英雄ギルガメシュにより殺害される。この時フンババは命乞いをしたが、同行していたギルガメッシュの友人エンキドゥによって論破されたという。これが遠因となって、エンキドウはフンババを死へ追いやった張本人として、神々の怒りにあって死の裁きを受けることとなった。

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