« 月と桂と勝占神社 | トップページ | かもとくしま伝説と天日鷲命 »

2015年12月27日 (日)

かもとくしま伝説と徳島の名前の由来

徳島と呼ばれ始めたのは、1585年(天正13年)に阿波国に入国した蜂須賀家政が、渭の山城を居城として改修し、徳島と改名したことによる。では、なぜ、徳島なのか?

徳島は『古事記』に登場する山幸彦の妻に送った歌に由来しているといわれている。山幸彦ことホホデミ(ホヲリ)は、「絶対に覗いてはいけません」と言われていたのに、妻トヨタマヒメが海神の姿(ワニの姿)になって出産している場を覗いてしまい。これが元で別れることとなった。この今生の別れに交わした歌に、「徳島」は由来するという。

トヨタマヒメは生まれた子どもウガヤフキアエズの養育のために妹タマヨリヒメを差し向け、歌を贈った。

赤玉は緒さえ光れど白玉の君が装ひし貴くありけり

ここにその夫、答えて

沖つ鳥 鴨とく島にわがゐ寝しイモは忘れじ世のことごとに

この鴨が渡る島「鴨とく島」から徳島と名付けられた。

では、なぜ、山幸彦なのか?その理由として、こんな伝説がある。

四国88カ所巡礼の17番札所、井戸寺は673年に天武天皇により創建したという。創建当時は妙照寺と呼ばれていた。徳島でもっとも古いお寺である。そして七仏薬師如来座像は、なんと聖徳太子の作と伝わっている。

井戸寺の「井戸」の由来は、弘法大師が、水不足に苦しんでいる人々を憂い、錫杖でついて井戸をつくったことに由来するといわれている。弘仁6年(815年)に、弘法大師こと空海は十一面観世音菩薩、十二神将、四天王、日光菩薩、月光菩薩を刻んで安置したという。弘法大師さんも、なぜかたくさんの仏像を刻んでいる。弘法大師さんも重要視したことがうかがえる。

『南井上村誌』には、井戸寺の井戸の由来として、井戸寺周辺は、昔から井上(ゐのべ)郷と呼ばれ海の民の住むところであった。『古事記』に載っている海幸彦の釣り針をなくして、それを探しにいかなければならなくなって、途方にくれていた山幸彦が、塩椎翁に教えられてやってきた海神の宮(魚鱗のごとく造れる宮)があったところが、この井戸寺で、井戸の名の由来は宮の御門の前にあった井戸であるという。山幸彦は井戸の傍らにあった湯津香木(桂の木)に登り、水を汲みに来た侍女に見えるように、井戸の水面に顔を映した。侍女はイケメンの顔に心ときめいた。山幸彦は侍女に、水を所望し、侍女が差し出した器の水を飲まずに、首飾りの玉をといて口中にふくみ、その玉を器の中に落しいれた。この玉は器に張り付いてとれなくなった。侍女はその不思議な玉つきの器のままトヨタマヒメに水を献上し、トヨタマヒメは山幸彦の来訪を知り、この行為により、山幸彦は宮に招き入れられ、海神の娘、トヨタマヒメ(豊玉姫)を妻とした。

井戸寺の南800mには、豊玉姫を祀る王子和多美神社がある。927年に完成した『延喜式』に記載されている阿波國名方郡の和多都美豊玉比賣神社(わだつみとよたまひめ)と考えられている。

昭和30年に国府町に併合されて南井上村が廃村になる記念に書かれた。『南井上村誌』井戸寺の、その井戸が山幸彦を映した井戸かどうかは定かではないが、井戸寺のある場所は、古代には鮎喰川と海が出会うところであり、海の民が住んでいたことは事実だろう。

徳島城となる渭の山には、もともと清玄坊さんという祈祷師が住んでいた。この清玄坊さんが祀っていたのが竜王さんことトヨタマヒメであったのではないだろうか?竜王さんのクスの木は今も残っているが、竜王神社は1875年の徳島城廃城にともない国瑞彦神社に合祀された。蜂須賀氏が清玄坊さんのたたりを恐れて祀った素月堂(大林院素月は清玄坊さんの本名)は弁天池に建てられていた。そして城内の神社はことごとく城外に移築されたが、竜王神社だけは城内に残された。竜王神社があったのは内町小学校の東の城山の山麓のあたり。

なんとなく海の香りがする。

ウキペディアによると「井戸寺は貞治元年(1362年)細川頼之の兵火に遭い、ついで天正10年(1582年)に長宗我部元親の兵火でも堂宇を焼失、慶長年間(1596年 ~1615年)に徳島藩主蜂須賀氏によって再興に着手され、万治4年(1661年)にようやく本堂が再建となる。」とある。

« 月と桂と勝占神社 | トップページ | かもとくしま伝説と天日鷲命 »

伝説探検隊」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/137663/63022370

この記事へのトラックバック一覧です: かもとくしま伝説と徳島の名前の由来:

« 月と桂と勝占神社 | トップページ | かもとくしま伝説と天日鷲命 »

2016年5月

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31