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2015年12月20日 (日)

菌ちゃん先生(吉田俊道先生)講演録

■子どもの低体温が学習障害や対人関係の障害を引き起こす。

低体温の子どもが増えている。実際に、ある小学校で調べてみたら、36.5℃以上の子どもは25%とたった4分の1だった。小学生なら体温は37.2℃くらいあってもよいという。

低体温になると、朝が起きられない。食欲がない。学習に集中できなかったり、イライラして人間関係にも影響が出たりしている。また、便秘の原因にもなる。小学生の5%が5~6日に1回、25%が3~4日に1回と、便秘気味であることがわかってきた。ウンコが固くて痛いことが、便を我慢することにつながり、我慢すると便秘はひどくなる。

低体温の原因を調べるべく、子どもの血液を調べてみたら、成人病の大人と同じくらいドロドロだった。毛細血管の一番細いところは、血管の管の内径は、赤血球より小さい。赤血球はぐっと押し縮められて毛細血管を通っていく。ドロドロの赤血球は毛細血管のところで渋滞してしまい、酸素を体全体にきちんと送りきることができない。特に脳は酸素がたくさんいるのだが、十分な量が送られていない。また、内臓の正常な働きを保つためにも、酸素不足の影響もが大きい。特に膵臓が酸素不足によって機能不全に陥ると糖尿病の原因となる。

■食と健康は密接に関係している。

低体温症の原因は血液がドロドロだったこと。なぜ血液はドロドロになってしまったのだろうか?その原因は食生活と密接に関係している。①ミネラル不足。②糖分の取り過ぎ。という2つのことが、血液にダメージを与えていると考えらえる。

ミネラルが不足すると、赤血球が劣化して酸素を十分に運べなくなる。

東洋医学では小腸のおへそのあたり、リンパ節が密集したところを丹田と呼び、血はこの丹田でつくられると考えらえてきた。丹とは血のことで、血が作られる田という意味。現代医学では血は骨髄でつくられるというのが常識で、白血病や再生不良貧血の治療には骨髄移植しか方法はないといわれている。しかし小腸で吸収された栄養は血液を通して60兆の細胞に運ばれていくことはわかっているが、血液中のミネラルは細胞のミネラルと同じで程度で、多くはなく。赤血球内には血液中の10倍のミネラルが含まれていることが知られている。毛細血管の一番細いところは、赤血球より細く、ここを赤血球が通る時に、スクイズ(搾り取る)されていると考えられている。小腸で吸収されたミネラルは赤血球によって運ばれている。このことから現在医学では、血液は骨髄でつくられていることは常識であるが、今も血は小腸の丹田でつくられているとする腸内造血説は根強い支持を得ている。

ミネラル不足の原因は、冷凍食品やレトルト食品、ファーストフードなどを食べるようになったことが大きく関係している。たとえばレトルトカレーの場合、野菜も肉も細かく切って、何度も茹でて、アクが出ないようにして、最後に調味料で味付けをするという調理方法をとる場合が多い。茹で汁の中に、ミネラルやビタミンなどの栄養が溶け出てしまい、その茹で汁は捨ててしまうので、野菜も肉も抜け殻になってしまっている。また、細かく切っているので、水溶性でない栄養も溶けだしやすく、まさに抜け殻になってしまう。しかし、表示では、ビタミンもミネラルも入っていることになっているが、それは材料として使っている野菜や肉の一般的な含有量であって、調理方法によって失われる部分は引いていない。ビタミン・ミネラルは摂取できず、カロリーだけが摂取できる。

ミネラルは触媒になるので、ミネラルが多いと、肉や野菜の色がすぐに変わってしまう。そこで茹でてミネラルを徹底的に絞り出して、捨ててしまうのだという。

また、野菜自体の栄養価が低下していることも分かっている。品種改良によって、促成栽培できるようになり、生育期間が短いということは、太陽のエネルギーを集める時間が短いということと等しく、光合成によって生成されるビタミンは少ないことを示している。土壌に肥料を施用するとき、堆肥などの有機物を施用するのではなく、窒素・リン酸・カリ・苦土・石灰などの単肥や化学肥料を使うことで、鉄・マンガン・亜鉛・銅などのミネラルが不足した土壌で野菜を栽培していることも多い。

■ある小学校の挑戦

子どもの低体温の原因はミネラル不足にあると考え、学校給食のミネラルを強化することで、子どもの体温を正常にすることができるのではないかと考え、実践した。ミネラルの元であるイリコ・アゴ(トビウオ)・シイタケ・昆布の粉末をつくり、和洋中関係なく、あらゆる料理にまぜて、1ヵ月食べさせたところ、体温が高くなった。そして通常4ヵ月はかかるというドロドロ血液をサラサラ血液にかえる体質改善が、わずか1ヵ月で改善できた。

早ね早起きができるようになった。低体温のときは、夜、布団に入っても、なかなか眠れないという状態だったのが、体温が上がることで、昼間、活動的になったので、夜、電池が切れるように自然に眠たくなる。布団にたどり着くことなく、布団の手前で寝てしまう子どもが増えた。

おなかがすくようになった。低体温のときは、朝昼晩と時間になったから食べるという状態であったが、体温が上がることで、おなかがすいて、ごはんを食べるようになった。

集中力が増し、勉強が楽しくなった。

手足の冷えがなくなり、よく眠れるようになった。手足の冷えは血液が酸素を十分に運べていなかったためだと考えられる。カゼを引かなくなった。インフルエンザが流行しても、かかって休む子がいなくなった。

悩まなくなった。友達とケンカしても、一晩寝たら忘れてしまうようになった。このことは重要で、脳に酸素が十分にいきわたるようになり、脳の新陳代謝がよくなったことが、くよくよしなくなったという結果をもたらしたと考えられる。逆に考えると、うつ病や統合失調症、アスペルガー症候群なども、ミネラル欠乏によるところが大きいのかもしれない。

実際に、アスペルガー症候群の子どもの症状が、天然ダシで改善されたという実例がある。聴覚と味覚の感度が高すぎて、教室のガヤガヤした音が苦手で教室に入れない。食べれる物が少ない。ウインナー、カップラーメン、ジュースしか食べない。あまりの偏食を観かねて、祖母が栄養補給が必要と考え、イリコと昆布の天然ダシをカップ麺やウインナーなんでもに、ふりかけて食べさせるようにした。すると症状が緩和したという。これは天然ダシのミネラルが関係しているのではないかと考えられる。神経伝達物質はミネラルが大きく関与している。アスペルガーは聴覚や味覚の過敏症が原因で、この過敏症はミネラル不足によって生じているのではないか?よって、ある程度体内にミネラルが足りてくると、正常な生活ができるようになったということではないだろうか?

■栄養が過剰で、命の元となるミネラルが非常に少ない食べ物が増えた。

カロリーは十分にあるのだけれど、ミネラルやビタミンがほとんどないという食べ物が加工食品を中心に多くなった。このような食べ物は熱量(カロリー)は取れても、新陳代謝することができないので、肥満の原因になる。体にミネラルやビタミンが足りていないので、もっと欲しと感じ、食べ過ぎてしまう。

生命は海で生まれた。ミネラルが豊富にある海で、生命が陸上に上がるとき、陸上では海のミネラルが十分に補給できないので、骨に蓄えるという方法を生み出した。骨の主成分カルシウムは心臓を拍動させるミネラル。これが欠乏すると心臓が拍動できない。マンガンは骨を固めるミネラル。マンガンが欠乏した牛は子牛にお乳を飲ませなくなる。自分の体内のカルシウムが減っていることが分かるのか、子どもにお乳を与えて、カルシウムを分けるのを嫌がるのだという。ひどい場合は子牛は母牛に蹴り倒されて死んでしまうという。アメリカではマグネシウム欠乏が深刻となり、奇形児の出生率が高くなった。マグネシウムが欠乏すると細胞分裂がうまくいかないのである。アメリカでは妊娠すると、医者にドロマイト(炭酸マグネシウム)のサプリメントを飲むことを勧められる。

命は、次の命につながり、回っていく。だから天然のものは腐りやすい。逆に命のもとをそぎ落とした材料でつくるファーストフードは腐りにくい。ハンバーガーとポテトのセットは腐りにくい。3年たってももとのままだったというような実験結果がある。命の元が少ないので、腐敗菌も活動できない。学校や家庭で実験するときは、ハンバーガーとポテトのセットで実験をするといろいろ問題になるので、シュークリームで実験するのがおすすめ。油から命の元を全部取り除いてつくったクリームでできているものは、いつまでつくっても腐らない。逆にお菓子屋さんが牛乳から手作りしたシュークリームは腐りやすい。

醤油にもいえる。脱脂大豆が原料で、アミノ酸で味付けをし、場合によっては砂糖も入っている。そしてきちんと発酵していないので腐りやすいので防腐剤としてアルコールが入れられている。味付け色付け水といった感じである。

地元の手作りのものを積極的に購入するのがお勧め。地元で経済を回している間は、お金は地域内でまわっているだけなので富は減らない。安いものを買うと、回りまわって、世界を牛耳っているような大物だけが儲かるようになる。

■たくわん漬けで「生きる力」を身につけさせる。吉田俊道先生の実践。

長崎県佐世保市のNPO法人大地といのちの会代表吉田俊道先生は家庭の生ごみや雑草を土に混ぜ微生物の力で発酵させた土での野菜づくり「菌ちゃん野菜作り」を推進している。微生物は植物の根と共生し、多様な栄養成分を植物に供給している。よって微生物の多い土壌で育った野菜は、おいしくて栄養価が高い。土1gには微生物が約1億匹。家庭から出る生ごみは、野菜の皮や芯、根や種や生長点など生きるために重要なミネラルやホルモンを多く含んでいる部分である。これらの命の元を栄養源として発酵分解させて作った土壌の微生物は、通常の10倍以上にもなる。

植物の根と人間の小腸はよく似ている。60兆の細胞で構成されている人間の腸には100兆の微生物が棲んでいる。人間も植物もたくさんの微生物と共生しながら生きている。

保育所での食育は、生ごみを木槌で叩いて細かくすることから始まる。これに米ぬか、微生物資材などを入れて、土の中で発酵させて土づくりをする。発酵して熱くなった土に実際に手を入れて、その熱を子どもたちに感じてもらう。微生物の「生きる力」を直に感じてもらい、自分が生きていくために、そのエネルギーがほしいと思わせる。そのように土づくりをした畑には大根の種を播く。たくさんの微生物と、生長点など命の素をたくさん含んだ生ごみ由来の肥料によって、大根は栄養満点の健康体になる。収穫された大根は洗われて、たくわん漬けに加工される。たくわん漬けも子どもたちといっしょにつくる。まずは大根を干す。干された大根は腐ることなく、干からびていく。太陽の光を浴びる厳しい環境の中で生き続ける。生きるために太陽光から細胞を守るために抗酸化物質であるビタミンDをたくさん作る。ビタミンDは干すことで1000倍にもなる。塩と糠につけて、重石をする。死にたくない、生きたい、生きたいと、生きる命。厳しさに耐えて、耐えて、耐えた命を食べることで、体内に入れて、自分の生きる力にする。

たくわんは「自然を生き延びる」ということを教えてくれる。卒園式のお土産はたくわん。たくわんは臭い。臭いけれど、大根の生きる力を目の当りにした子どもは、臭いに負けない大きな価値を知っている。

食育は3才以下がよい。4才になると知識がじゃまをする。幼児期の素直さが必要。
子どもが先生の言う事を聞かないというが、現代の子どもの話を聞かない原因はテレビの影響が大きい。昔は人が話し始めたら、何を言っているのか聞かなければと耳を傾けたが、今の子どもは、テレビのために、言葉があふれているので、話している人に集中するということが少なくなったのではないだろうか。

小学生に対する食育。腸を鍛えて健康になるということを教える。お腹をすかせると、腸は自然と動く。腸は脳の指令がなくとも動くことができる。

「腹が立つ」「腹黒い」とか腹には脳とは別の心があることを日本人は昔から感じてきた。

①かむことは腸を動かすことにつながる。
②食事の時に飲み物を食卓に置かない。飲みたくなったら、わざわざ取りに行かなければならないようにする。
③固い料理を増やす。
④腸を時計回りにマッサージする。手で押して積極的に腸を回す。
⑤乳酸飲料や微生物を積極的に取り入れる。

排便がよければ、食べ物由来のタンパク質が腸内で腐らない。

小学生の食育は集団心理を活用するとうまくいく。みんなやっているのだから、君もやりなさいというのはキツイので、よくできている子をほめまくる。そうするとほめられることはやりたくなるのでやるようになる。また、どうしても取り組まない子がいる。そういうときは終わりを決めて、1週間だけがんばろうと進めると、できることがある。そしてできたことをほめてあげると、続けてくれるようになる。

体は使わないとなまる。身体の生きる力を鍛えるという例としてのエピソード。沖縄の人と北海道の人に冷蔵庫に入ってもらう。沖縄の人はすぐに体温をあげて寒さに耐えようとするが、北海道の人は逆に、手足の体温はさがり、内臓や腸だけを温めて、その他の部分は温めない。これは北海道の人は寒さが続くということを想定して、体に蓄えた熱量を節約する体制に入ったことを意味している。沖縄の人は、熱をどんどん上げて、寒さに耐えようとするが、時期に燃料が切れてしまう。もし冬山で遭難したら、助かるのは寒さに対して持久力のある北海道の人ということができる。

体は鍛えると、体は命を守るように自然と働くようになる。そういうことを教えるのが食育ではないかと菌ちゃん先生こと吉田先生は語った。

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