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2015年12月12日 (土)

勝浦川伝説MAP

Map 
 
勝浦川流域の7つの伝説ツアー計画   

①お亀千軒

津田の沖にお亀磯という岩礁がある。かつてここには「お亀千軒」とよばれる豊かな島があった。その島には言い伝えがあり、鎮守の神社の狛犬の顔が赤くなったら、天変地異が起こり島が海に沈むという。悪党がいて、この言い伝えを逆手にとって、狛犬の顔を赤く塗り、島の人を追い出して、金品を略奪しようとしたが、島の人がいなくなると、ほんとうに天変地異は起こり、悪党もろとも島は海に沈んでしまった。

②阿波の狸合戦

江戸時代の終わりころ、天保8年。狸の金長は、同じく狸の六衛門のところで修業をし、かなり優秀であった。その能力を恐れた六衛門は、自分の娘鹿の子と結婚し、一門に入るように進めるが、金長はこれを拒否。六衛門は金長の殺害を企てるが失敗する。この時、金長の舎弟が殺されてしまう。金長はこれに腹を立て、仲間を募り、六衛門に宣戦布告し、ここに狸同士の一大戦争が勃発する。金長勢は600余り、迎え撃つ六衛門勢も600余り、戦いは勝浦川の河川敷で3日3晩繰り広げられ、津田山にあった六衛門城は守りが堅かったが、金長勢は城門を破り、城内での戦を経て、六衛門は打ち取られた。しかし、金長も深手を負い、ついに力尽きる。屋島の禿狸のところに修業に出ていた六衛門の息子、千住太郎が父の死を聞き、かたき討ちののろしをあげるが、屋島の禿狸の仲裁で戦いは終わる。徳島という地域は、奇怪なことが起きると、なんでも狸の仕業にする狸文化圏である。

③天から降ってきた山

今は失われてしまった『阿波国風土記』や『伊予国風土記』の伝承によると、天から降ってきた大きな島が四国になり。そのとき飛び散ったものが天の香具山と愛媛県松山市の天山になったという。天の香具山は一般的には奈良の三輪三山のひとつであるが、阿波の伝説では、日の峰を天の香具山とし、畝傍山を中津峰とする。畝傍山は畝に火を灯した灯台の役割をした「うねび山」であり、香具山はカグ=つまり鹿である。これはカシオペア座のことで、和名は天の二上山(ふたがみやまは夫婦和合を象徴するツインピークスの山)である。泳ぎの得意なカグは、地上の星(うねび山=畝に火の山の意味)に惚れて不倫、天の夫婦は破局し、天の二上山は地上に降ることになった。カグの妻はミミナシ。天にいるときは受胎できるという意味の「身身成し」であったが、地上に降りて「身身無し」となったという。

④鱗のごとく造れる宮殿

山幸彦・海幸彦の神話で、山幸彦が紛失してしまった釣り針を探して訪れた竜宮は、徳島市国府町の井戸寺であったという。井戸寺の井戸こそ、山幸彦が柳の木に登り、自分のイケメンな顔を水汲みの桶の水面に写し、口に含んだ不思議な玉をその桶に落とし、竜宮に入れてもらえるきっかけとなった、その井戸だという。山幸彦と竜宮の娘豊玉姫との間に生まれた日子波限建鵜草葺不合命(ヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコト)、その子である神武天皇の足跡が徳島にはある。徳島という地名の由来は、山幸彦の歌からとったという。豊玉姫が生まれた子どもウガヤフキアエズの養育のために妹の玉依姫を差し向け、歌を贈った。「赤玉は緒さえ光れど白玉の君が装ひし貴くありけり」この歌の返歌「沖つ鳥 鴨とく島にわがゐ寝しイモは忘れじ世のことごとに」という歌の、この鴨が渡る島「鴨とく島」から徳島と名付けられたという。

⑤銅鐸と鳥のシャーマン

徳島は銅鐸がたくさん出土している地域である。銅鐸を使った神事は、鳥の姿に扮装をしたシャーマンがとり行っていたという。卑弥呼の時代よりも古い稲作神事がどのようなものであったのかを、銅鐸は現在に伝えてくれている。稲の魂は男の神様なので、女性がもてなし、銅鐸を振って稲魂を水田にまいて行ったのだろう。稲に被害をもたらす台風の神様は女性なので、男性がもてなす。鉾と楯をもって戦いの踊りを奉納したと考えられている。現在にまで伝わる日本人の心に原風景をみることができる。

⑥えびす様誕生

太龍寺の縁起によると、イザナギとイザナミの間に最初にうまれた、手も足も生えず、良き土地になれなかった子ども「ヒルコ」は葦の船に乗せられて流されてしまう。そのヒルコを鷲敷王は拾い上げて養育し、立派な成人に育て上げた。ヒルコは成人してエビスと名乗った。勝浦町の生夷神社は、もしかすると全国にある事代主神社の元祖かもしれないといわれている。

⑦空海さんの悪星退治

空海さんは、人びとを苦しめている悪い星を神通力で攻め落とし、岩屋に封印したという。

番外編①徳島ラーメン誕生物語

戦前、戦後と小松島市松島町界隈で営業していた屋台ラーメンが徳島ラーメンのルーツという。徳島にはラーメン文化が花開く食文化の基盤があった。阿波の北方は小麦食文化圏であり、うどん・そうめんの質はかなり良かったという。良質の鳴門の斎田塩を活用した醤油・味噌つくり文化。現在の日本ハムの前身となる徳島ハム工場によって豚骨が手に入りやすかった。また戦後、石井養鶏によってブロイラー養鶏が盛んとなり鶏ガラも手に入りやすくなった。このような背景がラーメン文化を支えた。

番外編②阿波踊り誕生物語

「阿波の殿様蜂須賀公が今に残せし阿波踊り」それは本当のことらしい。蜂須賀公は徳島城ができるまで、小松島の千代の松原に居を構えていた。そして蜂須賀公は主、秀吉公をしのんで、その墓前を弔うために、千代の松原に豪華な豊国寺を建設した。阿波踊りの掛け声である「えらいやっちゃ・えらいやっちゃ」の偉い人とは秀吉公のことであったようだ。徳川の時代となって、あからさまに秀吉公を称えることはできなかったが、庶民から天下人となった人を称えずにはいられなかったのだろう。

●図会に描かれているもの紹介

01. 太刀魚:徳島の漁師さん一押しの一番うまい魚。

02. 蛤水:津田山の南西にはかつて「清水谷」という名の地名があり、蛤水とよばれる良質な水が出る井戸がいくつもあった。蛤には薬の意味もあり、まさに命の水。

03. ボラ釣りは冬の風物詩:水が清いところのボラは泥臭くなく美味。

04. シオマネキとトビハゼの干潟:国際的に重要な東アジア・オーストラリア・シギチドリ・フライウェイ登録湿地のひとつ。

05.籠の藻ぶろ:お殿様が作った海藻塩サウナが、明治になって払い下げられとても人気だったという。

06.すじ青のり漁:汽水域だからとれる良質で香り高い絶品。

07.蜂須賀藩の大砲練習場:日の峰の山を的に大砲の練習をしていた。

08. 日ノ峰神社のカニ絵馬:脱皮するカニは若返りや不老不死の象徴。

09. 建島姫神社:滋賀県高島市新旭町の波爾布神社は天平13年(741年)に阿波国那賀郡の建嶋女祖命神社より波爾山比賣命を勧請したと伝えられている。

10. 千代の松原:蜂須賀小六さんは豊臣秀吉公の菩提を弔う超豪華な豊国神社をここに建立した。その名残の松林。

11. 阿波三山の日の峰・中津峰・津峰:太陽を祀る日の峰、星を祀る中津峰、寿命を司る津峰。海洋民の信仰が厚い山。

12. 堰あと:川底にかつて水田に水を引き入れていた石積み堰のあとが残っている。斜めなのは、断面積を多くし急流れに流されない工夫。

13. 丈六寺の丈六仏とモミジの古木:

14. 日吉神社のタタラ音頭:鐘は重すぎて運べないので、現地でつくられた。そのとき地域の住民も参加して行われた神事が、そのまま祭りとして続いている。地鎮祭や安全祈願として踊られることも多い。

15. 立石神社の金剛石:幅3m×高さ7mの日本一の金剛石が斜め45°の角度で山から生えている。

16. 如意輪寺:補陀落渡海信仰のある如意輪観音様をまつる。

17. 天津神社:山頂に四方を石垣で囲まれた社がある。星の神様と地の神様を合わせて38柱を祀っている。

18. 長者ヶ原の大蛇伝説:大蛇よりも山の上に棲んでいたという長者の方が気になる。長者が糠を捨てた糠ヶ原という地名も残っている。糠は月と関係がある。

19. 悪星を法力で退治した伝説:弘法大師が天で悪く輝き人々に災いをもたらしている悪星を法力で退治し、天から落としたという。

20. 勝占神社:延喜式に記載の式内社。

21. 鳴滝:落差20mほどの滝。紅葉が美しい。

22.七釜の滝:滝壺が甌穴のようにお釜のように彫り込まれていて美しい。

23.義経ロード:義経と弁慶はたった1日で駆け抜けていっただけだが、阿波を攻略することで屋島の宮の経済的基盤を握り、阿波水軍を寝返らせ壇ノ浦で勝利するに至る布石を敷いた。

24.前山古墳:海抜60mの山の尾根上にある直径15mの円墳。出土物から5世紀前半のものと考えられている。

25.埴輪祭祀あと:三中から出土した埴輪祭祀の跡は、もともと平野部にあった古墳が洪水で流されて、そこから出土したものを移したものではないかと思う。

26.赤腹イモリと槍タナゴ:色鮮やかな生きものが里の風景に彩を添える。

27. 田浦の水車とホタル:無農薬・無化学肥料の有機稲作が展開されている。水車を復活させたり、あえて石垣の水路にしたり、柳を植えてホタルを増やす取り組みも行っている。

26.朝立彦神社のお亀石

27.コサギとゴイサギ

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